いつも『週刊ヤマケイ』をご愛顧いただきまして、ありがとうございます。
今週末から五月連休が始まります。みなさま残雪の峰々、新緑の高原、春の花が咲き競う山々などへと、思い思いの計画で、お出かけのことと存じます。
みなさまの山行が、より実り多いものとなりますことを、お祈り申し上げます。
おかげさまで、『週刊ヤマケイ』も創刊2年目を迎え、3万7000人を超える全国各地の方々からご愛読いただき、毎週、沢山のご投稿も寄せられております。
五月連休を迎えるたびに、この『週刊ヤマケイ』を、もっと早く創刊できていれば、という後悔とともに、思い出すことがあります。
ご記憶にも新しいと存じますが、ちょうど創刊準備を始めたころ、福岡県から白馬岳にいらした6人のお医者さまがたのパーティが、天候の急変による吹雪で全員亡くなるという、傷ましい事故が起こってしまいました。
山の今を伝える『週刊ヤマケイ』を、もし、もっと早く創刊し、的確な情報をお伝えできていたら。そして、亡くなられた方々が、このメディアの読者であってくれたら。そんなふうに悔やまれるのです。
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山登りをする人が、互いに道を譲り合いながら、
「こんにちは」と交わす自然なあいさつ。
『週刊ヤマケイ』は、そんな心と心の触れ合いを、
仲立ちできる媒体であり続けることをめざします。
下山する人は、これから登る人に、
「気をつけて行ってらっしゃい」とねぎらいます。
声をかけられた人は、
「お疲れ様でした」と喜びを分かちあう。
山を愛する人、自然が好きな人の心をつなぐ無償の贈り物。
そして、もっともっと、その輪が大きく広がり、
自然を見つめ、大地の息吹を感じるみなさまの思いが、
日本全国、さらには地球規模で深まること。
それが、私たちの願いです。(「創刊にあたって」より抜粋)
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本誌創刊の思いは、このようなものでございました。
おかげさまで、『週刊ヤマケイ』は大きく成長し、みなさんの思いを瞬時に3万7000人の方々と共有することもできるようになりました。ただ、それでは、まだまだ足りません。みなさまのお知り合い、周囲の方々、あまねく、山や自然を愛するすべての人々に、このメディアをお勧めいただけましたら幸いです。
最後に、みなさまのこの五月の山行が、より充実した思いで深いものとなりますことを、いま一度祈念し、ごあいさつとさせていただきます。
(『週刊ヤマケイ』編集長 久保田賢次)